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姫神合体



福岡県 香椎宮摂社の弁財天社   妙音天スタイルの神像が伺える。(画像処理で増感してます)


神仏分離後の現在でも市杵嶋姫弁財天(サラスヴァティー)の神格を色濃く残しています。

サラスヴァティーはヒンドゥー教の創造神ブラフマーの妻で聖なる川の化身。
流れる川から転じて、流れるもの全て 弁舌、知識、音楽を司る女神となります。
その姿は4本の腕を持ち、2本の腕には数珠とヴェーダ(バラモンの聖典)
もう1組の腕に琵琶に似た楽器ビィーナを持ち多くは孔雀(時には白鳥、蓮)と一緒に描かれます。
凄まじいほどの美神でもあり、ブラフマーは常に彼女を見続けるために
自ら前後左右に4つの顔を造りだしました。

こうして書き出してみますと、実は市杵嶋姫との共通点は多くはありません。
二柱共に水の女神ではありますが市杵嶋姫は”海”であり
”泉”の女神である罔象女神(みつはのめのかみ)の方が相応しく感じます。
芸能神としては天宇受賣命(あめのうずめのみこと)がいらしゃいます。
記紀に描かれる市杵嶋姫に芸能神の側面は感じられません。
むしろ剣から生まれたり、天孫降臨の護衛役等で武神のイメージがあります。

単なる美神繋がりか有力な女神というだけの理由かハッキリしませんが
とにかく サラスヴァティーは市杵嶋姫と合体します。
その後、七福神のセンターの座を得て福の神としての地位を築くのですが
他にも様々な姿、神格の神へと変身します。

琵琶を持った弁財天の姿から 音楽神としての妙音天、妙音菩薩。

8本の腕に武器を持つ鎮護国家の戦神は 天照の神勅からの引用、発展かと思われます。

翁面蛇体の宇賀神を頭上に載せる宇賀弁才天
8本の腕に武器と宝珠、鍵を持ち、財宝神の性格が強くなります。弁才天から”弁財天”への転換。
蛇神、龍神としての側面も持ち 神使が白蛇とされるのも宇賀神の影響かと考えます。

自身が蛇体である蛇身弁財天、蛇頭人身・3面10臂の天川弁財天曼荼羅図など
ほとんど”悪夢”な御姿もあります。  



天川弁才天曼陀羅図

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